半分無職の日記

無職になりてえカスの日常

きっといつかこんな日を

今でも忘れられない思い出がある。
10年以上前のことで、カビも生えようかというくらいのオンボロの家に家族全員で暮らしていた時の話。

たまにチャルメラの音が聞こえると小学生だった僕はああ、ラーメンの屋台が来たんだとワクワクして、更にたまたま父が早くに帰っていると僕の手を取って「楽太郎、ラーメン食いにいくか?」ととても嬉しそうに笑って言ってくれました。

その時食べたラーメンはゆで卵に、もやしとネギが入ったいわゆる町の中華そばだったと思います。

ある時にはそれを父と2人で食べて、ある時は家族のために白い発泡スチロールの容器に入ったそれをラップをしてもらったのに少しこぼしながら家に持って帰りました。

程なくしてその屋台は理由もわからないまま無くなってしまいましたがその時の記憶は本当に自分の中で幸せの象徴のようになっていて大切に憶えています。

今度帰ったら調べておいた屋台のラーメン屋に父と2人で行きたい、あの時の幸せを、絶対に忘れられない思い出を憶えてないフリをして照れ笑いでごまかしながら。